歴史認識を乗り越え、良好な関係を築くためには

班番号:27LS06班
研究領域/教育

Ⅰ年次 6月~9月の活動状況 

6班
安部愛乃(班長) 根本愛里・早坂紗樹・三浦理沙

教育 歴史
認識を乗り越え、良好な関係を築くためには

アドバイザー、協力者
東洋英和女学院大学  望月敏弘教授 東北大学 勝間田弘准教授

探究の様子
教科書の改訂に関するニュースから、日本の歴史認識が国交を意識したものになっていること、他国もそれぞれの歴史認識を持っていることを把握。歴史認識の違いを知ることで良好な関係が築けるのではないか、という探究動機の基、『日本、韓国、中国、台湾の国交』『親日・反日の背景』『貧困層の教育』をキーワードに探究を展開。特に、国の国際化においては近隣諸国との有効な関係は外せないが、歴史認識の違いと、そこから生じる領土問題や意見の食い違いは外交に大きな影響を及ぼしている事実を認識。原因は、国によって異なる歴史教育と偏った世論の形成、貧困層の教育問題による人材発掘のゆがみにあると推論をたて、広い視野と視点から改善点を見出そうと探究計画を立てた。
・台湾の日本に対する歴史認識から親日の理由を探る
・国交、文化、政策にみる良好な関係を調査
・日本の戦争に対する中国や韓国の歴史認識と国交について
・歴史教育の実態と影響、教育格差について
上記内容をまとめ、事実の確認と問題点を洗い出し、各国の民族性を理解して考察。良好な関係を築けない理由を探りつつ、良好な関係を築くことでのメリットやデメリットを理解しながら探究。この研究におけるアドバイザーとして東洋英和女学院大学の望月敏弘教授にコンタクトを取り、7月24日懇談する。 特に、中国の貧困層への具体的な教育支援についてや、反日家の多い印象を受ける中国や韓国が日本に対して好印象を持つ点はあるのか等を質問し、探究を深めた。8月になると東北大学の勝間田弘准教授の基を訪問し、探究に関するアドバイスを頂き、9月に入って望月教授に探究の進捗状況を報告しつつ、疑問点の解消を行った。

探究過程において、
・『良好な関係』には、政府間の外交と個人や企業間の交流や理解という視点
・歴史的背景から台湾の親日への過程を考察
・親日が衰えない理由としてのポップカルチャーの存在
・歴史的背景から中国の日本への印象を探る
・天安門事件の影響の大きさ
・中国の教育における『愛国主義』の導入
・戦争を挟んだ歴史教育
・日韓関係の歴史的背景
・民間の交流の経年変化を重視し、日本、中国、韓国、台湾をクロスさせながら探究。デリケートな問題でもあるため、経過発表等の原稿は事前にアドバイザー等の確認をこまめに取りながら作成した。

台湾での班別探究活動について

6班
安部愛乃(班長) 根本愛里・早坂紗樹・三浦理沙

教育
歴史認識を乗り越え、良好な関係を築くためには

アドバイザー、協力者
東海大学日本語言語文化学科 黄先生(台湾人で日本人の気持ちが分かる)、古川ちかし先生(日本人で台湾人の気持ちが分かる)

目標
歴史認識を乗り越え、日本・台湾・中国・韓国の個人レベル・政府レベルで良好な関係を築くために必要なことは何か。日本と他国間のみならず、国をクロスして探究活動を実践。歴史の把握に始まり、政府や個人とのつながりを模索中。関係を明らかにしつつ、より効果的なアンケート等の探究の手法においては東洋英和女学院大学の望月教授や東北大学の勝間田准教授のアドバイスを頂きながら、活動を展開。

探究を2系統に整理
①4国の歴史に見える関係を調査。現状の関係までの経緯を把握。互いの関係をプラスの方向に導くような行動・思考・展開を考察。
②若者のつながりの強化のために考えられることを模索。アンケート項目の精査。
③なぜ〇〇人は◆◆と考えるのか…思想の根底にあるものを探究。台湾の有識者たちとのディスカッションに備える。

台北の活動
・西門でポップカルチャーの調査を実施。228和平記念公園を訪れ、発表用の写真等収集。
・国立歴史博物館を訪れ原住民の資料を収集。
・本校の先輩たちと探究を通じて語り合いながら、台湾の地で学ぶ意義と今後の展望をうかがい、グローバルな視野を育むマインドを調査・探究。更に、民族の違いや宗教観のズレなどが、修復できるものなのかを調査。特に、日本人としての意見を求められた際、配慮することは何かを聞く。

台中の活動
・日本軍の墓地(宝覚寺)を訪れる。
・台中公園・台中駅を訪れ、日本統治時代の整備状況を調査探求。
・街頭調査(学生用のアンケート調査で、選択式。日本語・英語)。
・高校交流会では、ポップカルチャーの鑑賞会を実施。
・解決策の一つとして、4国合同のスポーツ大会などが、正しい意図で実施できるのか、台湾人のアドバイスを頂きながら、広く話題にする。

成果発表及びその後
台北・台中での活動を通して、台湾にいる間に、班の意見をまとめ、歴史教育や歴史認識についての研修結果を『花火』という日台バイリンガル雑誌に投稿。更に広く、同世代の読者意見を収集する。 また、同世代の人々が、4国の歴史認識とその影響について、どのように判断し、解決に向けてどの様なアイディアを抱いているのか、台湾研修での調査を基に分析。結果をアドバイザーに報告しつつ、公の場での発信を考える。