『バナナから見るフィリピンの経済格差』

班番号:27LS07班
研究領域 / 医療福祉

Ⅰ年次 6月~9月の活動状況 

7班
佐野桜(班長)佐藤美千香・遠藤夏音・堀江光

医療福祉
『バナナから見るフィリピンの経済格差』

アドバイザー、協力者
(株)オルタ―・トレード・ジャパン政策室 小林和夫氏、台湾中央研究院近代史研究所 陳慈玉さん

探究の様子
『貧困者』と『経済格差』という視点からフィリピンにたどり着き、一つの国の中に増大する格差に疑問を持つ。歴史的背景やフィリピン内部の貧富の差と貧困者の現状を調査。探究当初は、貧富の格差を解消した先進国とフィリピンに繋がるNPOなどの支援団体を調べ、その事実や支援の様子を公の場で提示することで格差解消につながると判断。しかし、事実を公にしつつ先進国において弱者への視点を養成するレベルでは、フィリピンの経済格差の直接的な解消にはならないことを知り、高校生でも格差解消のためにできることについて模索。日本はバナナを通して関わり合いが深いことを知り、バナナを利用することでできる支援の在り方を探究。特に、バナナ農園の大地主が農民を支配することで貧困状態が続いていることから、(株)オルター・トレード・ジャパンというバランゴンバナナの輸入会社にアドバイスを受けることになった。8月31日、(株)オルター・トレード・ジャパン政策室の小林和夫氏と懇談し、今までの探究の様子を伝える。懇談では…
・バナナ生産者の自立を促す支援について
・(株)オルター・トレード・ジャパンの取り組み
・バランゴンバナナ(野生のバナナ)についてとその利用について
・プランテーションで働く労働者の現状を把握。実際にバランゴンバナナを使ってどの様に格差解消が行われているかを学び、今後の探究の糸口を見出した。9月、本校では20年ほど前からフィリピンとの姉妹校交流が行われており、フィリピンの現状に詳しい教員やマ・スール等に、
・支援の内容や支援の方法
・何を必要としているのか
・経済的な自立のために必要なこと
・小数民族等の生活現状
を調査。『フィリピンの現状と支援の様子』と『バランゴンバナナの利用』を探究のキーワードとし、両者を結びつける地元の活動団体(組織)を調査。宮城生活協同組合(COOP)でもバランゴンバナナの販売を通じて生産者の経済的支援を行っていることを知る。更に、バランゴンバナナの普及のため、校内でバランゴンバナナの説明とこのバナナを購入することで、どの様な流れで生産者の経 済的支援につながるのかを解説。特に、バランゴンバナナの輸入、販売により生産者の経済的支援を実際に行ってきた(株)オルタ―・トレード・ジャパンの活動についても説明した。

台湾での班別探究活動について

7班
佐野桜(班長)佐藤美千香・遠藤夏音・堀江光

教育
『バナナから見るフィリピンの経済格差』

アドバイザー、協力者
(株)オルタ―・トレード・ジャパン 政策室 小林和夫氏、台湾中央研究院近代史研究所 陳慈玉さん

目標
フィリピンのバナナ農園の過酷な労働者たちに目を向け、改善への支援を行うALTJ(オルタ―・トレード・ジャパン)の小林和夫氏の協力のもと、バランゴンバナナの消費拡大を考察。更に台湾バナナとの比較・考察を行うため、有識者のもとを訪れ、知識を得る。また、果物の貿易を行う企業や食品流通の現場であるスーパを訪れながら、流通過程や利潤についての実際を学ぶ。

探究を3系統に整理
①ALTJの小林氏と連携しながら、バランゴンバナナの消費拡大を考察。
②台湾バナナの歴史的背景を探求し、台湾での探究に活かす。
③帰国後、生協を訪れ、バランゴンバナナの販売を企画する。

台北の活動
・食品に関するNGO、NPOを訪問。どの様な支援活動を行っているのか把握。
・過去の台湾の経済格差を陳先生から学びつつ、格差の構造と問題点を学ぶ。

台中の活動
台湾からフルーツを輸入している貿易関係者の方にインタビュー。
・どんなルートでフルーツが市場に出るのか、または国外に出されるのか。
・台湾バナナの国際的な価値・バナナ農家との関係・フルーツ農家との関係
・貿易に関する賃金・利益等、お金の流れ
スーパーを訪問し、食品の流通過程を調査・探究。
・食料の生産・流通・消費のシステムを理解し、どの様な製品であることがニーズに応えているのかを把握。
・食品産業の市場戦略を読み取り、流通と生産のバランスを把握。
・食資源の流通履歴を知ることで、その時代の経済や食文化を経た変遷を理解。広い意味での視点を養いつつ、課題を模索。
・台湾バナナの価値と需要と供給のバランスをチェック。
・台湾バナナの歴史と、進化・改良について調査。
・台湾バナナの生産者の現状を把握。

成果発表及びその後
バランゴンバナナの普及と販売について、オルター・トレード・ジャパンのアドバイスを得ながら考察。宮城生協COOPを訪問し、バランゴンバナナの販売におけるルート等を調査。
台湾バナナと日本の関係の変遷をたどりつつ、フィリピンバナナと日本の関係を考察。いかにフィリピンのバナナ農家の自立につながるような工夫ができるかがポイント。消費につながるイベントの工夫を早急に企画。
・バランゴンバナナのスィーツ
・バランゴンバナナを使用した焼き菓子
・バランゴンバナナを使用した軽食  等々
本校食堂のシェフなどと企画会議を持ち、バランゴンバナナ普及のためのPR作戦を展開。