『災害時における弱者への支援体制』

班番号:27LS02班
研究領域 / 医療福祉

Ⅰ年次 6月~9月の活動状況

2班
佐々木沙菜(班長) 大畑結・熊耳優佳里・佐藤亜美

医療福祉
『災害時における弱者への支援体制』

アドバイザー、協力者
東北大学大学院医学系研究科てんかん分野 中里信和教授
宮城大学看護学部看護学科 吉田俊子教授
東北大学大学院医学系研究科 石井正教授
東北大学災害科学国際研究所 津波工学研究分野 今村文彦教授
東北大学災害科学国際研究所 災害医療国際協力学分野 助教かつ東北大学病院胃腸外科 助教 佐々木宏之先生

探究の様子
東日本大震災を体験したことから、災害から発生する「ライフラインの停止」「感染症」「食料不足」「けが人・死者」「心の深いきず」を系統だてて調査。
特に3つのカテゴリーから未解決の問題を洗い出す。
・けが人・感染症・心的傷→災害時看護の現状と課題
・ライフラインの停止→災害時における難病の治療
・食料・物資の不足→災害発生時の食料供給ルートの問題
本校中学2年生が学活で東北大学大学院医学系研究科てんかん分野 中里信和教授の講演会後、直接懇談会を開催。その中で、災害時看護の吉田先生と難病 に関しての石井先生を紹介され、吉田先生のアドバイスで8月8日(土)に開催された以下のシンポジウムに参加する。
日本災害時看護(第17回年次大会)Nursing Science Café~命を救うナース~
DMAT(災害急性期に活動できる機動性を持ったトレーニングを受けた医療チーム) 隊員の橋本翼さんの講演から、実際に東日本大震災での活動を調査。現実の問題点を探りつつ、被災地域の現状と課題を分析。特に9日に行われた市民公開シンポジウムでは、現地の声を直に聞くことで、探究の視点を増やした。

弱者の視点と医療従事者の視点をいかにつなげるか、現実に災害が起きた時のネットワークの無形性による二次被害の様子等を調査。更に以下の点を探究。
・災害の種類と発生時に起こり得る現象
・災害時に求められる医療
・日本で一番多い難病(潰瘍性大腸炎)について
・難病者に対する災害発生時の支援体制と医薬品の処方状況
・支援物資の配送ネットワークの課題
・災害発生時の支援団体の細分化
・災害時の連絡手段と活用の仕方
3つのカテゴリーと上記の視点を探究し続ける中で、すべてに共通する項目が『災害時における連絡手段の確立』であることに気づき、日本の様々な県・市区町村・地域・自治体等の災害時の連絡体制を調査。多くの場合、災害時の連絡体制等がモデル・図式化されていないことを知る。
ここまでの調査・探究から、災害時に弱者の視点が生かされた、役立つパンフレットの必要性を実感。有識者のアドバイスを求めながら、次のステップとして、『災害時パンフレット』の企画・制作に移る。

台湾での班別探究活動について

2班
佐々木沙菜(班長) 大畑結・熊耳優佳里・佐藤亜美

医療福祉
『災害時における弱者への支援体制』

アドバイザー、協力者
東海大学社会福祉学科 劉先生

目標
東日本大震災の実体験と、医療従事者の懸命な医療行為を身近に感じ、弱者への社会の関わり方を探求。東北大学医学部医学系研究科の石井教授や、宮城大学看護学部の吉田教授のアドバイス等を受け、更には現地の方々の声を形にするべく、高校生視点の≪弱者対象の防災パンフレット≫の編集を試みる。同じ島国であり、台風の被害も甚大な台湾での防災パンフレットを読み解き、広い視野と新たなネットワークを形成。次のステップに活かす予定。

探究を3系統に整理
①東日本大震災の際、難病患者への対応の遅れから難病患者への支援体制を調査探求。
②看護系フォーラムへの参加で学んだ災害時の広い意味での看護や協力体制・支援の在り方を、高校生の視点でつなぐ。
③災害防災センターまたは研究所を訪問し、さらなる視点を増やす。

台北の活動
・総合病院を訪問し、社会福祉室等で災害時医療の現状を探求、合わせて職員にインタビューする。
・台北101 災害センターを訪問する。防災のシステムや連携、弱者への支援体制等を調査。
・921地震博物館を訪問し、震災の状況を東日本大震災時と対比しながら探究。

台中の活動
・台湾版の災害時パンフレットを読み解く。 ・災害時の自宅治療患者に焦点を定めて、台湾の災害時の行動計画の情報収集及び調査・分析を行う。
・本校の先輩たちと探究を通じて語り合いながら、台湾の地で学ぶ意義と今後の展望をうかがい、グローバルな視野を育むマインドを調査・探究。更に、直近で起きた台湾南部の地震についての状況やメディアの報道の内容について詳 しく調査。支援の在り方等について情報を得る。

成果発表及びその後
・現在探究のアドバイスをお願いしている東北大学の災害科学国際研究所の今村文彦教授と、防災パンフレットの作成における打ち合わせを進行中。台湾での防災に関するパンフレットを読み取ることから得られる視点を参考にしながら、同じ島国であり、自然災害の多い日本にとって、多くの視点が反映された重要な防災パンフレットを作成する。
・今回の研修における探究でつながった多くの方々に成果物としてのパンフレットを発信し、パンフレットを通じて、同じ視点を持つ人々を増やし、互いの国の支援の在り方を向上させる。