再エネ化による経済効果

班番号:30LS05班
研究領域 / 環境
メンバー:森柚里花(班長)・勝沼奈緒・大野愛理・芦野有紀・上郡山華菜

探究概要

1.動機:
私達は、日本において現在と将来の世代の人々にとって安全な地球環境を保全するため、昨今象徴的な環境問題である地球温暖化を抑制するために、限りある化石燃料ではなく、国内で自給でき、持続的に利用可能な再生可能エネルギー(以下「再エネ」とする)を利用するべきであると考えた。再エネとは、限られた化石燃料に対し、持続的に利用可能な自然界のエネルギー資源で、水力や風力など、様々な発電方法がある。二酸化炭素等の温室効果ガスを排出せず、地球環境に優しいというメリットに対し、発電量が天候次第で変化するため、供給が不安定であり、かつ建設には広大な土地が必要というデメリットもある。さらに日本は再エネ化が他国より遅れていて、国の法律のために地方の再エネ化が進まない、という現状がある。さらに、私達の学校の生徒と、2018年の学園祭来場者に向けてアンケート調査を行ったところ、人々の再エネの認知度、認識が低く、再エネ化に対する賛成、反対の立場を表明できる人が少ない、また、再エネ自体を知っていてもその実情を知らない人が多くいる、という課題が見えてきた。そこで、私達は「再エネ化による経済効果を人々に知らせることで、社会への普及を図ることができるのではないか」というという仮説を立て、再エネを利用するとどの程度の利益が出るか、再エネ関連産業によってどのような経済効果が見込めるかを調査し、現状を知ることで私達ができる具体的な活動はないかと考えた。

2.探究内容
<今までの活動>
2018年10月、私たちが初めて発表をした場である中間報告会ではSGH運営指導委員の先生に海外からの視点を入れた方が良い、という具体的なアドバイスを頂き、さらに多面的な探究を行う運びとなった。私達はまず、東北大学大学院工学研究科技術社会システム専攻の中田俊彦教授と、多元物質科学科の村松淳司教授にお話を伺い、日本のエネルギー資源の輸入状況や、輸入にかかる費用についてを知った。台湾研修旅行では、開南大学で66名の学生と、西門町で17名(10代~40代)の一般の方々を対象に国内と同様のアンケートを実施し、結果を分析した。また、ゴミの埋め立て地を利用した台湾初の太陽光発電所である「台北エネルギーの丘」の見学も行い、自然と共存して環境保護に努める台湾政府の姿勢を学んだ。今年の夏休みには、東日本大震災以降、復興に向けて再エネの飛躍的な推進を図っている福島県を訪問し、再エネの事業化支援の結果や、太陽光発電の活用を促す取組み、土湯温泉町での地熱発電を利用した観光産業等を中心に、多くのことを学んだ。また、最近では中央大学主催「地球環境論文賞」への論文の執筆(現在結果発表待ち)、全国ユース環境発表大会への応募を通し、1年次からの活動を体系化することが出来た。

3.今後の計画
今後の活動予定だが、再エネを普及させるために、まずは身近な存在である学校内で可能なことを実践していこうと考えている。具体的には、主に食堂から廃棄される生ゴミを利用したバイオマス発電で、どの程度の電力を供給できるかということを調べ、経済効果を目に見える形で数値化することと、併設の小学校で講演会を開き、子供達に再エネの存在とその可能性を知ってもらうことがある。今までの活動と知識を活かし、再エネに関する動画の作成が完了したので、多くの方々に視聴してもらう予定である。

30LS05班ポスター